Linuxにインストールしたアプリやシステムの設定情報等をバックアップしてリストアできるAptikの使い方

公開日:2019/07/19 更新日:2019/07/19
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はじめに

AptikはLinuxで使用しているアプリの設定情報やリポジトリの情報、アイコン、テーマなどをまとめてバックアップしてリストアできます。この記事では、Aptikのインストール方法から使い方をまとめます。

Aptikについて

Aptikは、Linuxにインストールしたアプリやシステムに加えた設定情報を簡単にバックアップしてリストアできるアプリです。Aptikを使用するシーンとしては、現在Ubuntu18.04を使っていて別のパソコンに新しくインストールしたUbuntu18.04に移行したいような場合があります。新しくインストールしたUbuntuに改めて自分が普段使用しているアプリを再インストールしたり設定したりするのはとても時間がかかり面倒です。そこでAptikを使って現状使っているアプリやシステムの設定などをまとめてバックアップし、新しくインストールしたUbuntu上でリストアして移行することができます。 Aptikがバックアップ、リストアできる対象としては以下があります。

対象 内容
インストール済のアプリ インストール済の全てのアプリのリストと各アプリの設定情報をバックアップし、リストア時にはリストのアプリを全てインストール、設定情報のリストアを自動で実行可能
ホームディレクトリ 隠しファイルを含むホームディレクトリを丸ごとバックアップ、リストア可能
テーマ、アイコンファイル /usr/shareにあるテーマファイルやアイコンファイルをバックアップして、リストア可能
その他のシステム情報 ユーザグループやCron、マウント情報などのバックアップ、リストアにも対応
なお、Aptikは異なるディストリビューション間でのリストアには対応していません。例えば、UbuntuでバックアップしたものをFedoraにリストアなどはできません。また、リストアする場合は、すでに稼働しているシステムではなく、新しくインストールした状態のシステムにリストアすることが推奨されています。

Aptikは以下の公式リポジトリで公開されています。使い方や特徴についても詳しく書かれていますので、詳細は以下で確認をお願いします。

github.com

Command-line tool for migrating system settings and data for distributions based on Debian, Arch and Fedora. Can backup and restore software repositories, packages, icons, themes, fonts, users, groups, home data, dconf settings, fstab/crypttab entries, and cron tasks.

前提と環境

この記事では、Ubuntuを使用しました。Aptikは、Debian、Ubuntu、Fedora、Arch Linuxとこれらの派生ディストリビューションに対応しています。

  • OS : Ubuntu18.04

Aptikをインストールする

インストール方法は簡単で、以下のコマンドを順番に実行します。

$ sudo add-apt-repository -y ppa:teejee2008/ppa
$ sudo apt-get update
$ sudo apt-get install aptik aptik-gtk

aptikはコマンドラインツールでaptik-gtkはGUIアプリです。この記事では、GUIツールの使い方を説明します。

Aptikでバックアップを作成する

Aptikは以下のようにアクティビティから検索して起動できます。なお、Aptikは管理者権限が必要となるため毎回起動時に管理者パスワードを問われます。

seartch-aptik.png

以下のように端末からも起動できます。

$ aptik-gtk

Aptikを起動すると、以下のようなウィンドウが表示されます。

Aptik_GTK_window.png

まずはじめに以下のように「Backup Location」の「Select」ボタンからバックアップ先を選択します。私は以下のようにmybackupという名前のディレクトリをホームディレクトリ直下に作成してそれを選択しました。

select-your-backup-path.png

バックアップ先となるパスを選択したら、ウィンドウ左側にある「Backup」タブを開いてバックアップするファイルの設定を行います。以下はデフォルトの状態です。

backup-settings.png

上記の中で「Exclude」というのは除外する、「Include」というのは含めるという意味です。よく分からない場合はまずデフォルトの状態で特に除外などせずにバックアップ作成してリストアしてみていいと思います。 後は上記のウィンドウ下部にある「Backup All Items」をクリックします。すると、以下のようにコンソールが表示されてバックアップが開始されます。

progress-backup.png

環境によってはしばらく時間がかかるので完了するまで待機します。完了すると以下のように「Backup completed」と表示され下に緑色でかかった時間が表示されます。

completed.png

以上でバックアップは完了です。

Aptikでリストアする

リストアも簡単です。新しいシステムにAptikをインストールし、適当なディレクトリに作成しておいたバックアップを置いておきます。 バックアップの場合と同様に、バックアップが置いてあるパスを指定した上で、以下のように「Restore」を選択します。「Restore」を選択すると、以下の画像内赤矢印のように「Restore」というタブが表示されます。

select-restore.png

後は「Restore」タブを開き、バックアップの時と同じようにリストアの対象を選択して最後に「Restore All Items」をクリックするだけです。

restore-all-items.png

Aptikをアンインストールする

以下を実行することでアンインストール可能です。

$ sudo apt-get remove aptik
$ sudo apt-get remove aptik-gtk
$ sudo apt-get autoremove

まとめ

Aptikを使用することで新しいシステムへ自身の環境をリストアできるのでとても便利です。

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